電気設備の分野で住宅、オフィス、ホテル、商業施設、スポーツ施設など社会を構成するあらゆる“くらしの空間”で事業を展開している、パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社。インタビュー前編では、同社の品質保証部門の設立や、CATご導入の経緯についてお伺いしました。

パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社
エナジーシステム事業部 品質革新センター システム評価技術部
パナソニックLSインド(出向)
高垣 宏章 様

2005年松下電工(現パナソニックエレクトリックワークス社)に入社。システム評価技術部にて、同社製品の品質管理、評価技術開発業務に携わり、多種多様なシステム商品について常に顧客満足度の追求をモットーにシステム評価を推進。現在はインド・ベンガルールにて新拠点の立ち上げ業務に従事。
パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社
エナジーシステム事業部 品質革新センター
システム評価技術部
パナソニックLSインド(出向)
高垣 宏章 様

2005年松下電工(現パナソニックエレクトリックワークス社)に入社。システム評価技術部にて、同社製品の品質管理、評価技術開発業務に携わり、多種多様なシステム商品について常に顧客満足度の追求をモットーにシステム評価を推進。現在はインド・ベンガルールにて新拠点の立ち上げ業務に従事。


ハードウェア開発からソフトウェア開発へ
品質保証部門の設立



―今所属されているシステム評価技術部はどのような組織ですか?


今の第三者評価の体制ができたのが20数年前だったと聞いています。もともとはハードウェア開発が主体の企業でしたので、ソフトウェア開発に長けているわけではありませんでした。ソフトウェアはお客様の要件の獲得や、企画段階からすべての工程の“ツケ”が品質に表れると思うんです。当時はやはりその“ツケ”が出ていて、不具合が収まらない、納期が伸びる、そういったことを繰り返した結果、自部門だけで開発を完了するのは難しいという結論に至り、第三者評価を行う品質保証部門ができました。



―具体的にはどのような商品を扱っていますか?


社内では「住宅向け」「非住宅向け」という区分があります。「非住宅向け」はいわゆるビル管理システム、入退室のセキュリティ管理システム、照明制御、エネルギーの管理、煙熱感知器をモニタリングする防災システムなどがあります。最近ではスマホのBluetoothを経由して過密エリアの検知や、不在になった部屋に自動的に施解錠をするといった、働き方改革にアジャストしたシステムもあります。「住宅向け」はホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)や、マンション向けのロビー、住戸につくインターフォンシステム、太陽光発電システムや蓄電池など、幅広いですね。
ビル1棟の導入だと1年くらいかけてテストしています。評価体制も大規模になるため、テスト管理支援ツールの効果やメリットを感じています。



ベンガルールからリモートでの対談を実施

内製ツールの寿命と
工数削減や属人性排除の課題



―CAT導入の経緯についてお伺いさせてください


当時、内製のテスト管理ツールを10年近く運用していました。でも構造的な課題により保守ができなくなり、寿命を迎えようとしていました。同時に、私たちも一組織で年間50~60くらいのテーマの評価依頼を受けていて、マネジメント工数の削減や、作業の属人性を排除することが課題になっていました。加えて、事業内容も、製品単体の販売ではなくシステム商品・サービスとして世に出していくことになり、開発効率やスピードなどを求められてきました。そこでITツールの活用が高まってきました。ちょうど世の中ではIT革新が進み、御社のCATを含め、活用できそうなツールが台頭してきた技術トレンドもありました。



―導入時に他に検討したツールはありましたか?


はい。もともとバグ管理に利用しているRedmineの運用との親和性を重視し他のツールも検討していました。また、当時は開発のマネジメントインフラ全体の標準化・統合化もすすめており、プロジェクト管理ツールとしてもRedmineを利用して開発全体の統合マネジメント体制を構築したところでした。既存の運用の中に考えていたテスト管理を組み込めるという点でCATの利用を決めました。

100名規模の利用をスムーズに立ち上げ、
現在では400名程度の利用に



―導入はどういったフェーズで進んでいきましたか?


2016年にトライアルを実施しました。トライアルは、まず自分たちで実際の運用を想定して利用方法を構築していきました。その後、100名規模からのスタートでしたが、1年間のトライアルを経たこともあり、既存ツールからの移行した際の抵抗感も抑えられたと思います。

その後、現在は400名までユーザーを拡大しました。この際「これを使いましょう」とトップダウンでルールや仕組みを変えたわけではなく、先行事例をベースに私の部門で「めっちゃええよ!」と他の部門にも共有し、その結果、「あ、これはいいじゃない」と反応があり、自然と利用部門が広がっていったイメージです。
全社のテストインフラとして導入しようという位置づけで進めてきたので、それもスムーズに導入できた要因だと思います。
<後編へ続く>

後編はCATの強みや活用方法、これから期待することについて語っていただきました。
【後編】安心のサポート体制と進化するツールという魅力



後編はCATの強みや活用方法、これから期待することについて語っていただきました。
【後編】安心のサポート体制と進化するツールという魅力