電気設備の分野で住宅、オフィス、ホテル、商業施設、スポーツ施設など社会を構成するあらゆる“くらしの空間”で事業を展開している、パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社。インタビュー後編では、CATの強みや活用方法、これから期待することについてお伺いしました。

パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社
エナジーシステム事業部 品質革新センター システム評価技術部
パナソニックLSインド(出向)
高垣 宏章 様

2005年松下電工(現パナソニックエレクトリックワークス社)に入社。システム評価技術部にて、同社製品の品質管理、評価技術開発業務に携わり、多種多様なシステム商品について常に顧客満足度の追求をモットーにシステム評価を推進。現在はインド・ベンガルールにて新拠点の立ち上げ業務に従事。

【前編】400名規模で利用中 内製ツールの寿命や工数削減などをきっかけに導入


パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社
エナジーシステム事業部 品質革新センター
システム評価技術部
パナソニックLSインド(出向)
高垣 宏章 様

2005年松下電工(現パナソニックエレクトリックワークス社)に入社。システム評価技術部にて、同社製品の品質管理、評価技術開発業務に携わり、多種多様なシステム商品について常に顧客満足度の追求をモットーにシステム評価を推進。現在はインド・ベンガルールにて新拠点の立ち上げ業務に従事。

【前編】400名規模で利用中 内製ツールの寿命や工数削減などをきっかけに導入


大規模で利用しても安心できるサポート体制と
進化するツールという魅力
クラウド版でリモートワークへの対応も



―CATの強みはどういったところだと思いますか?


いちばん先に思い浮かぶのはサポート体制です。これまで導入にあたり運用構築のご相談などいろいろ対応いただきました。そのサポートの手厚さは魅力です。あとはツールが進化していくというところですね。ツールを選定するにあたり、開発が継続されていてより便利になっていくかどうかも、大きな基準になると思います。これまで利用していたツールは完全に内製でしたが、個人的には内製化は今の時代にはあまり合わないように思います。保守工数がかかる、当時作った人が離職してフォローしきれない…というリスクがでてきます。そういうリスクを排除していく意味でもパッケージ化されたツールを利用したほうがいいと思います。しかもそのツールが揉まれて進化する、保守体制もある、というのは、非常に我々のニーズにマッチしたサービスだと思いました。


Webベースになったことも大きいです。以前はアプリケーションをインストールしなければ見られませんでしたし、ネットワークの関係で外部からは使えませんでした。今はリモートワークでも権限があればリアルタイムで、可視化された状態を共有できるのは大きいです。今までデータを見たいという要望がなかったメンバーからも利用依頼がくるようになりました。
コロナ禍以降、一部はリモートでテストすることもあります。テスト結果などをCATに反映して、それをリアルタイムに遠隔と共有する。そういう形でリモートワークのやりづらさをしのぎました。これがひと昔前のツールだったらそこまでできませんし、みんなに頭を下げて出社してもらうか、開発ストップですよね。そういったリスクも軽減されました。



―御社ならではのCAT活用方法があればおしえてください


年間50~60プロジェクトを実施していると定量的な品質情報も溜まってきますのでテーマ、カテゴリー別に比較したり、全体で見たり、分析もしています。CATやRedmineなど周辺のシステムとAPI経由でつなぎこんで独自のレポートツールを自社で開発しました。進捗状況の定量・定性的な管理、報告、それに対する上位者の指示などを一箇所にまとめ、週次、月次で俯瞰し管理できます。当時このようなツールが世の中になかったのとリアルタイム性を重視した結果、この部分だけは自社開発をしました。複数のテーマについて情報共有もしやすく、タイムリーなコントロールもしやすくなります。


蓄積した情報は、例えばプロジェクト終了後に振り返りなどにも使っています。過去の関連開発と比べて、何がよかったか悪かったか確認し、それを踏まえて次のプロジェクトで何かやってみる、その結果をまた振り返る。定量的な効果が見えるとPDCAのサイクルをより継続しやすくなります。その他、見積にも有効です。同じようなテーマで依頼が来た場合は、過去のデータをもとに開発量に対する想定不具合の数などの見積に使っています。

自動的にリスクを警告、
改善案をサジェストしてくれる
システムがあれば



―今後CATに期待することはありますか?


ツールのよさは主観がまったく入らないことだと思います。今もある程度自動的に見える化されたり、好きな見方で分析ができますが、次はそれが自動的に周辺のデータとも比較されて、将来の予測や、技術面でのリスク、日程面での遅延有無の予測が示されるといいですね。目標との乖離を是正するためにはこういうことをしたほうがいいですよ、というアクションのリコメンドやサジェスチョンなど出るといいです。「言うは易し」ですが(笑)。


人って結構弱いんですよね。圧倒的な納期のプレッシャーなど、何かしらの要因によって同じ判断がいつもできない場合があります。見たくない情報を見ない、認めない、など。普段そうではない人でもある状況に追い込まれると、そういうことがあります。そういうときに「CATがこう言っている」というサジェストがあるといいですね。システムはそういった状況は関係なしに、解析をもとに結果をだしますから。精度は難しいと思いますが、そういう時代が来るといいなと思います。